「ステントグラフト内挿術(胸部・腹部)の実施施設となりました。大動脈疾患についてはどんな症例においても対応可能となります。 よろしくお願い致します。」
24時間救命救急体制 TEL 082-874-8080
「ステントグラフト内挿術(胸部・腹部)の実施施設となりました。大動脈疾患についてはどんな症例においても対応可能となります。 よろしくお願い致します。」
下大静脈フィルターは脚の静脈にできた血栓がはがれて流れてきたときに、それをフィルターでとらえ、肺塞栓症を起こさないよう予防道具として用います。以前は、下大静脈に留置すると生涯、体に入れたままの永久留置型フィルターだけでしたが、その後、非永久留置型が開発され、現在では病状にあわせて使い分けるようになっています。
肺動脈に血液の塊(血栓)が詰まる病気のことです。この血栓がどこでできるかというと、9割以上は「脚」の静脈内にできます。この血栓を「深部静脈血栓症」といいます。それが血液の流れに乗って右心房、右心室を経由して肺動脈まで運ばれてきて肺塞栓症の原因となります。ですから、肺塞栓症と深部静脈血栓症は極めて関係が深い病気です。肺塞栓症で一番多い症状が息苦しさです。典型的な場合、突然、呼吸が苦しくなり、普段であれば何ら問題なく上れた階段や上り坂で、息が切れ、途中で休まないと、それ以上動けなくなります次いで多いのは胸痛です。典型的な症状は息を吸うときの鋭い痛みで、胸膜炎の時の痛みと似ています。このほか失神、ショックがあります。また、肺塞栓症の直接的原因の大半は深部静脈血栓症ですから、この血栓症の症候(下肢のはれ、痛み、皮膚の色の変化)が約半数の肺塞栓症の患者さんにみられます。
大動脈の壁に亀裂が入り、壁が内膜と外膜とに分離されてしまう病気を大動脈解離といいます。突然に発症することが多く、その場合は急性大動脈解離と呼ばれ、急性心筋梗塞とならんで直ちに対処が必要な循環器の救急疾患です。急性大動脈解離が起こった時には、突然の激しい胸や背中の痛みがあり、救急車を呼ぶことになります。動脈の壁が分離されるために、手足の動脈への血流が悪くなり、その結果、手や足の激しい痛みが突然に現れてくることもあります。大動脈解離は高血圧がある人に起こりやすいといわれています。大動脈解離の発生部位によって対処方法が変わりますが、心臓から出るすぐ上の上行大動脈に大動脈解離がある場合には、心臓の周囲に出血して死亡する危険性が高いために緊急手術をします。このタイプはA型と呼ばれ、心臓血管外科の緊急手術が実施できる病院に搬送する必要があります。
睡眠時無呼吸症候群とは寝ている間に何回も呼吸が止まる病気です。睡眠中、平均して1時間に5回以上、それぞれ10秒以上呼吸が止まる場合は、この症候群の可能性があります。この症候群は単に呼吸が止まるだけの病気ではありません。心臓、脳、血管に負担をかけるのです。実は、睡眠時無呼吸症候群があるだけで高血圧症、脳卒中、狭心症、心筋梗塞など循環器病を合併する危険が高まることがわかっています。しかし、一方で、この症候群の治療をきちんと受けると、長生きできる可能性があることもわかっています。いびきは無呼吸の前兆です。そのため、いびきは睡眠時無呼吸症候群の患者さんの多くに認められます。しかしこの症候群はいびき以外には自覚症状が出にくい病気です。昼間の眠気を自覚される方もいますが、それは半数程度で、なかなか自分だけではわかりにくい病気なのです。周りの人から寝ている時のいびきや無呼吸を指摘されている方はご相談ください。
カテーテルアブレーションとはカテーテルという細い管を太ももの付け根の血管から心臓に入れて、不整脈の原因となる電気回路を遮断するというもので脈拍が速くなるタイプの不整脈(頻脈性不整脈)の根治を目指す治療法です。外科的な手術と比べて、胸を切り開かなくても良いため、治療に要する時間が短く体への負担が少ないことも特徴です。
入院期間は発作性上室性頻拍、心房粗動、心房頻拍、心室性期外収縮の場合が1泊2日~2泊3日、心房細動、心室頻拍の場合は2泊3日~3泊4日となりますが、退院後はすぐに治療前の生活を送っていただくことが可能です。治療にかかる時間は発作性上室性頻拍、心房粗動が1~2時間、心室性期外収縮が2~3時間、発作性心房細動が1時間30分~2時間、持続性心房細動、心室頻拍が3~4時間ですが病状等により前後する場合もございます。からだへの負担も小さく安全性も高い治療方法ではありますが、処置に伴う合併症のリスクがゼロではありません。治療前には担当医より病状、治療の具体的な方法、合併症につき詳しくご説明させていただきます。
脈拍が遅くなるタイプの不整脈(徐脈性不整脈)である洞不全症候群、房室ブロックに対する治療方法です。500円玉よりもひとまわりくらい大きなペースメーカーという機械を左前胸部(場合によっては右前胸部)に局所麻酔で植え込みます。手術に要する時間は2時間程度で、手術後1週間の入院が必要となります。ペースメーカー植え込み後、手術前と同じように生活していただくことが可能ですが術後、日常生活においていくつか注意いただくことがございますので、入院期間中にパンフレット等を用いてご説明いたします。また植え込み後8~10年経過すると電池消耗のため、交換手術が必要となります(新規の植え込みと同様に、局所麻酔の手術です)。ペースメーカーを植え込んだ患者さんは定期的に当院外来を受診いただきペースメーカーチェックを行い、機械の不具合がないか、電池が消耗していないかなどを定期的に確認いたします。
不整脈には様々なタイプがあります。
不整脈が起きたときの心臓の拍動の速さ(心拍数)によって分類すると、脈が速くなる頻脈性不整脈、脈が遅くなる徐脈性不整脈、リズムが乱れて脈が飛ぶ期外収縮の3タイプに分けられます。また刺激伝導系の異常が起こる部分によって分類すると、心室より上部に異常があ る上室性不整脈、心室に異常がある心室性不整脈の2タイプに分けられます。
心臓超音波検査は、音波の中でも人間の耳には聞こえないくらいの高い周波数の超音波を利用して心臓の動きを見ることができる数少ない検査です。その超音波は人体に無害で、痛みを伴うこともありません。心臓病の中には心臓のサイズが大きくなる場合がありますが、一般的には心臓が大きくなったときは心臓が弱っていることが多く、心臓の大きさを評価することはとても重要です。心臓が弱ってくると、心臓の形も次第にボールのように丸くなってくることも知られています。また、心臓の壁の厚さを調べることで心肥大があるかどうかもわかるのです。心臓の動き方が調べられるのも大切な点で、心筋梗塞の場合は梗塞が起こり、収縮運動をしない心筋の場所や範囲がわかります。また、血液の流れる速度や方向は、弁疾患の診断になくてはならない情報です。超音波検査では血液の流れる速度や方向がわかりますから、弁逆流の場合は、弁のところで逆向きに流れる血流を検出することによって診断がつきます。また、弁狭窄のときは、開きにくくなった弁のところで加速され、速くなった血液の速度を測ることによって診断できます。こうした弁疾患の重症度も評価することが可能です。さらに、心房中隔欠損症や心室中隔欠損症などのように、生まれつき心臓の壁に孔があいているような病気の場合も、そこを通る異常な血流を検出することによって診断できます。
心臓弁膜の異常の総称が弁膜症です。心臓には4つの部屋があります。全身から心臓に戻ってくる酸素の少ない血液(静脈血)は、まず部屋のひとつの右心房に入ります。次に右心室という部屋に入り肺に送られます。肺で酸素を取り込んだ血液(動脈血)は、左心房から左心室を経由して大動脈から全身に送られます。この血液の流れが一定の方向(一方通行)になるように各々の部屋の出口に扉があります。この扉が弁膜です。異常は狭窄、逆流の2つですが、狭窄と逆流が同時にある場合もあります。扉の動きが悪くなると出口が狭く(狭窄)なり、血液が通りにくくなります。扉が閉らなかったり、壊れてしまうと逆流(閉鎖不全)が起こります。これが重症化すると心不全に至りますので、自覚症状としては、息切れ、動悸、全身倦怠感、浮腫といった症状が現れたり、不整脈が頻繁に出現したりします。
閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)は動脈硬化により血管が徐々に細くなっていく病気です。足の血管が細くなって歩くとふくらはぎやももの筋肉が痛くなる状態は「足の狭心症」といえますし、完全に血管がつまると安静時にも痛みが続き、潰瘍や壊疽になった場合は足の(心筋)梗塞と考えると理解しやすいでしょう。 症状としては「間欠性跛行」といって、歩くと足が痛くなる症状が出現します。しばらく休んでいるとその痛みが良くなるのでまた歩くことができるようになりますが連続して歩くことが出来ないという症状です。さらに悪化すれば安静にしていても足が痛いという状況に至ります。ここから先は重症虚血肢といわれ、しばしば足に潰瘍や壊疽ができ、最終的に足を切断せざるを得ない場合があります。
下肢閉塞性動脈硬化症の治療
治療方法には、薬物運動療法、カテーテル治療、バイパス手術などがあります。軽症の方は薬と運動療法で症状が改善されます。毎日規則正しい歩行運動をすることによって、細くなった血管の代わりになる自然のバイパスが下肢動脈の血流量を増やすことによって症状が改善します。カテーテル治療は比較的血管の病変が軽い患者さんへの治療として適しています。例えば骨盤内の腸骨動脈の部分は最近では完全に血管が閉塞している方にもカテーテル治療が可能ですし、長期の成績も良いため、腸骨動脈の部分に関しては最初からカテーテル治療が行われることが多くなってきています。 大腿動脈と呼ばれる太腿の血管に対しては、今までカテーテル治療の長期の成績があまりよくありませんでした。しかし近年、自己拡張型ステントという再狭窄の少ないステントが出てきたため治療の成績が改善されてきています。カテーテル治療で成績の悪い大腿部の血管や膝下の末梢の血管にはバイパス手術も検討されます。人工血管や自分の足の静脈を使って閉塞した血管の間を別のルートを造って血流を流す手術です。
心臓は全身に血液を送り出すポンプの働きをしています。「心不全」というのは病名ではなく、さまざまな心臓の病気の結果として「心臓というポンプの働きに障害が生じ、いろいろな症状を引き起こしている状態」を指すものです。心不全の原因となる病気としては、重症な虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、心臓弁膜症、重症不整脈、心筋症、高血圧などがあります。心不全の症状として、健康な人なら何でもない平地歩行などのちょっとした動作でも動悸や息切れがしたり疲れやすくなる、さらには、せきやたんが止まらない、むくみが出るなどの症状がよく見られます。
冠動脈造影と同じように、カテーテルという細い管を直接冠動脈の入り口まで挿入します。このカテーテルの中を通して細い(0.010インチ-0.014インチ)ワイヤーを狭窄部の先まで送り込みます。このワイヤーをガイドにしてバルーンを狭窄部まで持っていき、バルーンを膨らませて狭窄を押し広げ拡張させるのです。バルーンで押し広げたあとにはステント(コイル状の金属)を留置します。ステントを入れて広げられた狭窄部は内側から支えられ、再び狭窄することを防ぎます。近年はステントにも改良が加えられ、ステントに薬を塗って血管の再狭窄を防ぐDES(薬剤溶出性ステント)と呼ばれるものが主流です。治療時間は数十分から数時間程度で、病変によって異なります。
冠動脈病変の診断のためには冠動脈CT検査がお手軽でしょう。ただし、冠動脈に石灰化した動脈硬化があったりすると冠動脈内腔の観察が困難となる場合があるため冠動脈CTにも限界があるとはいえます。そういう意味では冠動脈病変の評価の際に標準となるのが「冠動脈カテーテル造影検査」です。冠動脈は大動脈の起始部から分枝します。はじめに右と左の二つに分かれます。左冠動脈はすぐに左前下行枝と左回旋枝という大きな枝に分かれます。これを右冠動脈と合わせて、「冠動脈は3本ある」といいます。左冠動脈が二つに分かれる手前の部分は左主幹部といわれます。
冠動脈はふつうのレントゲンでは写りませんから造影剤が必要です。これを冠動脈に直接注入するための細いチューブ(直径:1.3mm程度)をカテーテルといいます。このカテーテルを手首の動脈や足の付け根(鼠蹊部)から冠動脈まで進めて、造影剤を流して動画を撮影します。造影剤の流れる映像を見て冠動脈内腔のどの部分がどの程度狭くなっているかを評価します。これが冠動脈カテーテル造影検査です。
攣縮性狭心症が疑われるときには、薬物を注入して、攣縮を誘発させることができます。また、このとき心室内腔の造影像を得て、心筋壊死の有無やその範囲を知ることもできます。血管内は痛みを感じませんので、検査中に痛みを感じるのは最初の局所麻酔のときだけです。検査全体に要する時間は、検査の内容にもよりますが15分から30分程度です。検査の後は穿刺部分を圧迫して止血します。手首からの検査の場合は日帰り検査も可能です。
冠動脈CT検査は、心臓カテーテル検査と異なり非侵襲的に冠動脈の状態を評価するための検査法です。体にX線を照射し、撮影した体内の画像をコンピューターを使って立体的に再構築し、血管(冠動脈)の性状を見ることで狭窄や動脈硬化の有無の確認が可能です。冠動脈CT検査は、カテーテル検査に比べ受検者の身体的負担を大幅に軽減するだけでなく、検査費用も安価で気軽に冠動脈の評価ができる検査です。多くの研究の結果、非常に高い陰性的中率(NPV:約98%程度)を示していることが分かり、狭窄の有無などスクリーニング検査に有用なほか、無症状だが高脂血症や高血圧などのハイリスクな方から、労作時胸痛や狭心症・心電図異常など症状や所見の見られる方まで、狭窄の疑われる方に有用な検査です。
動脈硬化が進行し冠動脈にできていたプラークが破裂して冠動脈を『完全に閉塞』してしまい、心筋に血液が完全に行かなくなり心筋が壊死してしまった状態が心筋梗塞です。「突然に胸が焼けるように重苦しく、押しつぶされるような、締め付けられるようになって冷や汗が出る。」「吐き気がしたり実際に吐くこともある。症状は長く続き10分以上か、ときには数時間も続く」というのは心筋梗塞の症状です。痛みは多くの場合、狭心症のときよりも激烈です。救急車を呼ぶことが望ましい疾患です。
心臓の栄養血管である冠動脈が、何かの原因で狭くなると、心筋に送り込まれる血液が不足し、心筋が酸素不足に陥ります。そのために生ずる胸の痛みが「狭心症の症状」です。多くの場合、冠動脈の動脈硬化(プラーク)によって生じた冠動脈の『狭窄』が血流を障害することが原因となりますが、動脈硬化がほとんど無いにもかかわらず、冠動脈が痙攣性に収縮を起こして縮んでしまう(攣縮)するタイプの狭心症もあります。